酵素には食物酵素と体内酵素がありますが、若さや美しさ、活力の鍵を握るのが「体内酵素」であり、大切なのはその使い方です。
1日の体内酵素の量は人により一定量が決まっていると言われており、必要に応じて食べ物を消化する「消化酵素」や細胞を再生・デトックスする「代謝酵素」に振り分けられます。このように体内酵素を「消化酵素」として消化するために使うか「代謝酵素」として細胞の再生やデトックスのために使うかで、その人の1日、積み重なって一生が変わります。酵素の仕組みを知ることで、活力のある生活、いつまでも若々しい体が維持できます。
とても大切な部分なので、詳しく解説していきます。
体内酵素の使い方
1日に一定量の体内酵素の使い方を左右する最も大きな要因は、食事の仕方です。
普段消化に負担がかかるものの摂取量が多い人は、消化のために消化酵素が多量に必要となります。Lesson1-2でも消化には膨大なエネルギーが費やされていることを学習しましたが、これは体内酵素を多く使っている事と同じです。
体内酵素が100あるとすると、このような人は70〜80を消化酵素として使用しているため、代謝酵素として使える体内酵素は20〜30しか残っていません。つまり体内酵素の中で消化酵素を使う割合が増え、代謝酵素として使える割合が減ってしまうのです。結果、組織の修復や細胞の入れ替え、排泄、デトックスなど、私たちの体を若々しく維持するために使える酵素が減ってしまいます。
そうなると、どのような影響がでてくるのでしょうか。
AさんとBさんの体内酵素の使い方の違い
Aさんは酵素の仕組みを知っていて、消化に負担をかけず代謝酵素をしっかりと働かせる食事のポイントを知っています。Bさんは酵素の仕組みを意識した事がない人です。(日本では多くの方が酵素の働きを意識して食事することはありません)
これがAさんとBさんの1日の酵素の使い方の違いです。
Aさんは1日に使える代謝酵素の割合が多いため、しっかり細胞の入れ替えや組織の修復、デトックスができますが、Bさんは消化酵素に使っている割合が多いため、細胞の修復や入れ替えが十分できず老廃物が残ったまま1日が終わってしまいます。次の日も、また次の日も、Bさんの体内にはデトックスしきれなかった不要物が蓄積していきます。
これがどんどん積み重なることで、日々の疲れや不調、肥満、見た目の老化、数年後には何かしらの病気といった形であらわれてきます。1日の何気ない食事が、AさんとBさんの体型や体調の大きな違いを生んでいるのです。
ファスティングでは一定期間消化に負担がかかる固形物を摂取しないことにより、消化酵素を節約しました。この図で言うと、ほぼ100%をピンクの代謝酵素として利用できた状態です。それにより様々な排泄作用や細胞の再生を行うことができます。
ファスティングで体重が減る原理は、摂取カロリーを抑えることよりも、この体内酵素の使い方が大きや鍵を握っているのです。
■Lesson9-6 まとめ■
- 酵素には食物酵素と体内酵素があり、若さや美しさ、活力の鍵を握るのが「体内酵素」であり、大切なのはその使い方である。
- 普段から消化に負担がかかる食事をしている人は、体内酵素の中で消化酵素を使う割合が増え、代謝酵素として使える割合が減ってしまう。結果、組織の修復や細胞の入れ替え、排泄、デトックスなど、私たちの体を若々しく維持するために使える酵素が減り、肥満や様々な不調に繋がる。
- ファスティングでは一定期間消化に負担がかかる固形物を摂取しないことにより、消化酵素を節約できることで、様々な排泄作用や細胞の再生を行うことができる。