Lesson6-8 酵素ドリンク②

酵素ドリンクは、自宅でも野菜や果物を発酵させて簡単に手作りする事もできます。ここでは、酵素ドリンクに使用できる酵素シロップの作り方のポイントや注意点について学習して行きましょう。

Magnago/Shutterstock.com

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手作り酵素シロップ

材料

  • 無農薬栽培の季節のフルーツ・・・1kg
    (春はイチゴ、夏はすいか、秋は桃やぶどうや梨、冬は柑橘類など)
  • 体に優しい砂糖・・・1.1kg
    ※一般的には上白糖やグラニュー糖を用いることが多いですが、血糖値の急上昇など白砂糖の弊害が様々有りますので、てん菜糖やココナッツシュガーなど血糖値を上げにくい砂糖を使用してもよいでしょう。その場合には少し発酵に時間がかかる場合があります。

準備物

  • 発酵瓶・・・内容量3〜4Lの拳が入る口広のもの。外から発酵状態が分かるように透明な容器を使用します。
  • 保存瓶・・・内容量1〜2L(発酵後)
  • ガーゼ

作り方

  1. 果物を良く洗い、皮ごと一口大に切ります。水分の抜け具合が揃うよう、厚さは均一にしましょう。
  2. 砂糖・フルーツ・砂糖・フルーツ・砂糖の順で瓶に入れていき、密閉せず軽く蓋をするか、ガーゼをかぶせます。仕込みはこれで完了です。直射日光が当たらない所で保存します。
  3. 半日ほどでフルーツから水分が出てくるので、上下をひっくり返すように手で約50回全体をよく混ぜます。
  4. ここからは毎日混ぜていきます。しっかりとよく洗った素手で1日2回朝晩混ぜましょう。最低1日1回は必要です。毎回50回程、素材が空気に触れるようによく混ぜます。
  5. 完成までは夏場で1週間、冬場で3週間ほどこの作業を繰り返します。フルーツが完全に浮いてフルーツ同士が結束したら完成間近の状態です。この時ほのかにアルコールの香りがします。
  6. 表面に細かい泡がプツプツ出てきて、混ぜるとシュワシュワと白い泡が立ち込めると完成です。ボウルに、目の細かいザルかガーゼを引いたザルを置き漉していきます。絞らずに時間をかけて漉すのがポイントです。
  7. 煮沸殺菌し水気を切った保存瓶を用意し、漏斗にガーゼをかぶせて瓶に注きます。
    ※濾した後も発酵は進むため、瓶の蓋は密閉しないようにします。保存期間は冷蔵庫で約1ヶ月程度です。

作り方のポイント

  • フルーツや野菜の皮は全て入れますが、柑橘は皮をむいたほうが飲みやすくなります。
  • 酵素シロップを初めて作る方には、柑橘系やキウイ、かりんなどが発酵しやすいので作りやすいでしょう。逆にりんごやなしは発酵しにくい素材です。
  • 大根やかぶ、きゅうり、なす、白菜、葉っぱ類は漬け物のような臭いがするため、飲みにくく感じる方もいます。苦手な方は避けましょう。
  • 完成までの発酵にかかる時間は季節や温度により異なります。冬場は気温が低く発酵しにくいため完成までに3ヶ月以上かかる場合もあります。
  • 適度な温かさにより発酵が進みやすくなるため、冬場はブランケットなどでくるむなど工夫するとよいでしょう。
  • フルーツと砂糖の重量比が大切です。フルーツの1.1倍の砂糖を用います。
  • 上白糖が最も発酵しやすく作りやすい砂糖になります。それ以外の砂糖を使用した場合は、発酵が進みにくい場合もあります。

 

手作り酵素シロップで酵素ドリンク

  • 酵素シロップ・・・大さじ2
  • 生絞りしたレモン果汁・・・適量

以上を常温の水やお湯で5倍以上に希釈します。

摂取目安は酵素シロップで1日60mlですが、ファスティングに用いるために一日の摂取量を増やす場合は、少しずつ体調を見ながら増やすようにしましょう。
 

手作り酵素シロップの考慮点

酵素ドリンクの流行により手作りの酵素シロップを作る方も増える一方で、衛生面や安全性など考慮すべき点もあります。

腐敗・菌の危険性

手作りの酵素シロップは手の常在菌で発酵させるため、完成までの間に毎日素手で混ぜる作業を行います。しかし手の常在菌には様々なものがあり、もちろん雑菌などが付着している場合もあります。食中毒で有名な黄色ブドウ球菌や大腸菌なども皮膚の常在細菌の一つです。
ネットでも多くの方のレシピの投稿がありますが、そのほとんどが調理師や衛生管理士などの資格を持たない一般の方の投稿であり、菌の危険性において考慮不足な点も否めません。
手作り酵素ジュースが成功していれば「酸味のある匂い」、失敗して腐ってる場合は「アンモニア臭」がするとも言われていますが、初めて酵素ジュースを作る方には成功基準がないため判断つきにくいのが実情です。そのため腐敗した酵素シロップを飲んで体調を崩す方もいます

砂糖の弊害

酵素シロップには大量の砂糖を用います。本レシピではてん菜糖やココナッツシュガーなど体に優しい砂糖を用いることをお勧めしていますが、多くのレシピでは上白糖が用いられており、また最も発酵しやすいのも上白糖です。
Lesson5-3砂糖の弊害について学習しました。酵素シロップは、砂糖を発酵させているためそれらの弊害の影響がないという見解もありますが、科学的根拠がないのが実情です。また手作りの酵素シロップを日常的に摂取したために、糖分過多になったというデータもあります。
 
手づくり酵素シロップはレシピ本も多く出版されているため、世間的に安全性が認められているように思われている方が多いですが、以上の考慮点をしっかり把握した上で、用いるかどうかを決定するようにしましょう。またその際は十分に衛生面に注意して用いるようにしましょう。
 
■Lesson6-7 まとめ■

  • 酵素シロップは家庭で手作りすることができ、それを用いて酵素ドリンクを作ることもできる。
  • 身近な素材で作る事が出来る酵素シロップだが、手の常在菌で発酵させる手作り酵素シロップは、衛生面で疑問の声もある。
  • 大量の砂糖を用いるため、砂糖の弊害も心配されている。
  • 酵素シロップを用いるかどうかは、考慮点や危険性を把握した上で決定し、用いる場合には衛生面に十分配慮して行う。