Lesson2-1 ファスティングの源流を学ぶ

Lesson1では、世界各国の著名人が実践し注目を集めている「現代のファスティング」について、その全容を簡単に学習しました。ファスティングの目的やメリット、今注目を集めている理由が掴めてきたでしょう。
美容や健康を主な目的とした「ファスティング」の注目度が高まる一方で、その「ファスティング」や「断食」などの源流や歴史を知る方は多くありません。一見回り道のように見えるこれらルーツを辿る学習ですが、ファスティングへの理解を深める上で、またファスティングコンサルタントとして人に指導できる立場となった時のために、この理解は大変重要となります。知識量と理解の深さの違いが、自己流で取り組む方々とファスティングコンサルタントとの大きな違いとなるからです。
Lesson2では、ファスティングを今までとは少し異なる視点から学習していきます。そうすることで、新たな発見や実践する時にも役立つ知識も得る事ができます。
もし先に実践方法から学習したい方は、Lesson3以降を先に進めてもかまいません。ただ、このファスティングの源流の知識はとても興味深いものも多いので、あなたの知識・力となるようにしっかり目を通しておくようにしてください。
 

「断食」と「絶食」

「断食」とは本来、宗教上の目的(誓い、祈願など)によって食事を絶つ行為をいいます。一方医学的に用いる場合には、「絶食」と呼ぶことになっています。ですから、私たちがチャレンジしようとしているファスティングは、本来は「絶食」の方に分類されます。
しかしながら、一般的には「ファスティング = 断食」というように解釈されていることが多いでしょう。これはファスティングを行うことによって、身体的なことだけではなく「精神的」な健康の回復も期待されることから、このような用語の使われ方が一般的になっていると考えられます。
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ファスティングによる心の変化

ファスティングを行うと、「食事」に対する感謝の気持ちや、それまでの食習慣等への反省の気持ちが芽生える方が多くいらっしゃいます。
ファスティングでは、普段当たり前のように口にしていた食を断つことで、食事(食材)を作ってくれた人や食事が頂けることへの感謝、栄養的には必要のないものを簡単に摂り過ぎていることへの反省、素材本来の味を改めて感じられるようになる、など「思考」や「感覚」などがとぎすまされてくる効果も期待されます。
これらの効果は、「空腹をしっかりと感じ取り、『感じる』ということを改めて考える」という行為を続けてこそ得られるものです。ですから、ファスティングは、「空腹」を感じる事から精神的にも昇華していくという意味で、精神的な修行という意味も兼ね備えた「断食」と呼ぶほうがふさわしいのかもしれません。
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ファスティングや断食はヨガの世界と近しく、また宗教上の目的(誓い、祈願など)によって食事を絶つ行為であることから、その源流を世界の様々な宗教の中で見つける事が出来ます。「宗教」というと日本人にはあまり馴染みが無いように思われるかも知れませんが、世界的にもスタイリッシュな概念として人気がある「ZEN(禅)」や「精進料理」などにもファスティングなどの流れが見られます。また瞑想を自分のメンテナンスのために取り入れている海外セレブや日本の著名人も多く、その壁は少しずつなくなってきていますね。
次からは、実際に「宗教上の断食」とは本来どのようなものなのか、いくつか例をあげて簡単にみていくことにしましょう。
 
■Lesson2-1 まとめ■

  • 「断食」とは本来宗教上の目的(誓い、祈願など)によって食事を絶つ行為をいい、医学的に用いる場合には「絶食」といわれ区別されている。
  • ファスティングを行うことで、身体的面だけでなく「精神的」な健康の回復も期待されるところから、ファスティング=断食という用語の使われ方が一般的となっている。
  • ファスティングによる心の変化を感じる方も多い。食に関しての感覚はもちろん、全身の「感覚」や「思考」が研ぎ澄まされる効果も期待できる。