Lesson11-3 食べ方のルール

選択の基準となる「食べ方のルール」

食べるために生きるのではなく、生きるために食べる、という事を意識しだすと、自分の体の細胞になるためにはどのような食べ物がふさわしいか、選ぶ目を持つようになります。
体本来の機能を維持し、自己管理できるようになるためには、食べ方のルーツともいえるポイントがあります。ホリスティック栄養学や、ナチュラルハイジーンでも用いられているこのポイントは、食の選択基準にもしやすいので覚えておくようにしましょう。

食べ方のルール

  • 何を食べるか
  • いつ食べるか
  • どのように食べるか

「何を食べるのか」

水分をたっぷりと含んだ物を食べましょう。それにより、代謝によって産生される老廃物を洗い流すことができます。水分をたっぷり含んだ物とは新鮮な生の果物と野菜です。加熱調理をすると、食材の水分が抜けてしまいますので、生のまま丸ごとたっぷりと食べます。

 「いつ食べるのか」

「食べる時間」は決まっています。体の3つのサイクルはすでに学習しましたね。だらだらと食べていては体の負担となりますので間食は控えましょう。
「食べる時間」が狂えば、すべてのサイクルが乱れます。特に、朝は消化の時間ではなく排泄の時間ですので、消化にエネルギーを消耗するような物は朝食では食べないのが基本です。

「どのように食べるのか」

消化に負担をかけない食事には、食べ合わせの簡単なルールがあります。これまでにも少し触れましたが、①炭水化物とたんぱく質(特に動物性)の組み合わせと②異なるたんぱく質を2つ以上合わせる組み合わせは、消化にとても負担がかかります。
炭水化物とは米・パン・麺類など、動物性たんぱく質とは肉(肉でも牛、豚、鶏)や魚(それぞれの種類の魚)、卵、乳製品などがあげられますが、これらを①②のように組み合わせて食べることで、単体で食べるよりも消化に数倍の時間がかかり、胃や腸に未消化のまま長く滞在することになります。
このように言われると、何を食べたらいいのかと思われるかもしれませんが、それぞれを一回の食事に単体で食べることは問題ありません。前Lessonでも少し紹介しましたが、肉や魚が食べたい日は、肉や魚を生野菜と一緒に頂きます。この時、メインおかずのお供はパンやご飯ではなくたっぷりのサラダにしましょう。
また、パンやご飯が食べたい日も、彩り豊かな生野菜のサラダと一緒に頂きましょう。好きな物を食べれる満足感は大きく、また新鮮な生野菜はより美味しさを引き立ててくれます。
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カロリーより質

体重を気にしてダイエットを試みる人は常にカロリーを気にしています。しかし、食べ物はカロリーよりも質が大切です。多少カロリーが高くても、水分を多く含み、正しく組み合わされた食事を選択すれば、それはあなたの体にメリットをもたらしてくれます。
大切なので何度も繰り返しますが、あなたのこれからの体は、今日食べたもので出来ています。カロリーが低くても添加物や化学物質がたっぷりの食事では、体を作ることはできません。単にカロリーを減らすだけでは減量にはならないのです。
消化に費やされるエネルギーが小さく、体が本来の排泄やデトックスの働きを行える食事ができるように、ライフスタイルそのものを変えることが本当に美しく健康的なダイエットにつながります。本当に体が求める栄養素がたっぷりのものであれば、いつもより量を食べても太ることはありません。

 良く噛んで食べる

「よく噛むこと」を食事の際には必ず心がけるようにしましょう。
よく噛んで食べるということは、落ち着いて食事をするということでもあります。どのような食品でも、口の中でよく噛んでから飲み込む「ゆっくり食事をする」という習慣をつければ、少ない量でも満腹感は得られるものです。
よく噛みながら時間をかけて食事をすると次第に素材本来の味にも気が付くようになってきてそれを味わおうという意識も生まれてきます。
何よりよく噛むことによって唾液の分泌が促されます。唾液の中には、消化酵素アミラーゼが含まれているので、炭水化物はある程度消化された形で胃へ運ばれることになり、胃の負担が軽くなることは既に学習しました。さらに噛むことは、ホルモン分泌など脳にも良い刺激を与えます。
よく噛む食事というのは、本当にメリットが多いのです。

できるだけ和食を

「食べ物」の内容も見直してみましょう。
ジャンクフードやファーストフードなど欧米スタイルの食事が問題視されているのは、油脂をふんだんに使ったものが多いからです。これらは依存性が高いため、時々無償に食べたくなる時があるかもしれませんが、そのような時はたまになら食してもよいでしょう。ただし、「たまになら」です。
好きな物を我慢することが大切なのではありません。しかし、好きな物を美味しく食べるためにも、健康的な体というのは必要ですね。そのためにも毎日の食事は、油脂や動物性たんぱく質の量が少ない和食を中心にするとよいでしょう。
「マゴワヤサシイ」という言葉を、ご存知でしょうか。マクロビオティックなどでよく用いられる言葉ですが、伝統的な日本食の素材の頭文字をつなげた、キャッチフレーズです。

KPG_Payless/Shutterstock.com

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マゴワヤサシイ

  • 「マ」 豆製品・・・豆腐や納豆などの大豆加工品です。良質のたんぱく質や食物繊維、ビタミンやミネラルが豊富な健康食品であることは、すでにご承知のとおり。
  • 「ゴ」 ごま・・・ゴマだけではなく、ナッツなども該当します。これらの食品には、ω-3脂肪酸といわれる良質な脂質が含まれています。特に、抗酸化作用によって酸化を防いでくれる栄養素が多いことが魅力です。
  • 「ワ」 ワカメ・・・いわゆる海藻類です。ミネラルが豊富で、うま味成分もたっぷり含まれています。特にヒジキはおすすめです。
  • 「ヤ」 野菜・・・緑黄色、淡色いずれの野菜も必要です。ビタミンや食物繊維の宝庫です。
  • 「サ」 魚・・・魚介類の中でも、とくに青魚には「ゴ」同様ω-3脂肪酸とよばれる良質の脂質が豊富です。いわゆるDHAは、このω-脂肪酸に属します。できるだけ、肉よりも魚を選ぶようにしましょう。
  • 「シ」 シイタケ・・・きのこ類です。ノーカロリーのキノコはダイエットの強い味方でもありますね。うま味成分も含まれているので、塩分を減らすことにも効果的です。
  • 「イ」 いも・・・根菜類は、腸内環境を整えてくれる食物繊維が豊富です。ビタミン類なども多く含まれています。体を温める効果もあります。

和食を中心とした食事にしていればこうした食品は自然と摂取できるようになるので、食生活や食習慣を見直す際には、「和食」の良さにも目を向けてみましょう。外食が多くなってしまう場合にも、こうした「和食」中心のメニューをオーダーするようにすると自分で食事と健康をコントロールしやすくなります。