Lesson11-4 適度で効果的な運動を

ファスティングの目的は心身のリセットとデトックスです。それはすなわち、「生活の質」そのものを見直すことでもあります。大切なのは正しい食生活を送るとともに、適度な運動をすることも、健康的な体を維持するためには重要となります。
運動は、集中して行うよりも毎日無理のない範囲で続けることの方が効果があるといわれています。1回の運動量で200kcalぐらいを消費することを目安にすれば、肥満や減量には効果があります。
継続するためには、体への負荷が大きい無酸素運動よりも適度な有酸素運動がおすすめです。ウォーキングやサイクリング、水泳やゆったりとしたエアロビクスなどがあります。
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アイソトニック運動

体を積極的に動かして行う運動をアイソトニック運動といいますが、この運動は基礎代謝を高めてくれます。呼吸数や心拍数の増大により血流が良くなると、体の各部の細胞へ酸素がたくさん供給されるようになり、「燃焼」が盛んに行われるようになります。特に、運動を開始して最初の20分は糖分が消費され、その後に脂肪が燃焼されるので、20分以上かけてじっくりと行う運動が適しています。
 

継続しやすいおすすめ有酸素運動

適度な有酸素運動はいろいろありますので、自分が継続できるお好みのものを取り入れるとよいでしょう。何をしたらいいかいまいち分からないという方は、毎日少しずつ運動を取り入やすいウォーキングがお勧めです。

ウォーキングがお勧めな理由

  1. 酸素をとりこみながら運動するため、体脂肪を燃焼させることができる。
  2. 血糖調節に必要なホルモンであるインスリンの働きが良くなる。
  3. 骨に適度な刺激が伝わるため、骨粗しょう症予防に繋がる。
  4. 血液循環がよくなり全身の細胞に酸素や栄養が送られ、アンチエイジングにもなる。
  5. 足腰の筋肉が鍛えられることで、腰痛予防や脚力の増強に繋がる。
  6. 血流のアップや視覚的な刺激により脳の活性が高まり、自律神経のバランスが良くなる。
  7. リフレッシュにもなり、ストレスの解消にも繋がる。
  8. 体にかかる負担が少ないため、長期間継続しやすい。

歩きやすい靴があれば特別な道具は必要なく、忙しい方も通学や通勤の間に一駅分歩くなどの生活への取り入れがしやすい点なども、ウォーキングがお勧めの理由です。毎日は無理でも2~3日に1回はしっかりとウォーキングを行い基礎代謝を上げることで、全身の血行が良く「燃焼」しやすい体を作るようにしましょう。

ウォーキングを行う際のポイント

ウォーキングを効果的に行うためには①正しい姿勢と②正しい歩き方を身につけることが大切です。

悪い歩き方でウォーキングを継続していると、背骨や背筋がゆがみはじめ、骨盤のゆがみまでも引き起こす場合があります。その結果、内臓が圧迫されて血行が悪くなり、疾患を招くこともあるのです。歩き方などさほど問題ではないと思うかもしれませんが、実はとても大切なポイントです。正しい歩き方を身につけて効果的なウォーキングを行いましょう。

  1. 基本姿勢・・・背筋を伸ばして、まっすぐに立つ。
  2. 目線・・・10〜15メートル先を見るように。
  3. 頭・・・顎を引いて頭はまっすぐにする。
  4. 背筋・・・肩の力を抜いてリラックス。ピンと身長を伸ばすようにし、腰の位置が上下に揺れないようにする。
  5. 腕・・・肘は軽く曲げて、肩から腕を動かすように。
  6. 膝・・・膝はできるだけ曲げないように、腰から前に運ぶイメージで。

ウォーキングを行う時間帯は、生活に取り入れやすい時間が1番ですが、1回の運動によって基礎代謝が促された体は、1日その状態を維持することができるので、朝に行うのが効果的でしょう。歩く早さは、1分間に80m(だいたい1時間に5㎞弱)のスピードで、20~30分くらいの散歩を1日に2回ほど行えば、だいたい1万歩は達成できます。

ウォーキングの嬉しい副産物

お勧めな理由でも少し記載しましたが、ウォーキングにはうれしい副産物もあります。例えば、ウォーキングの際、意識的にお腹を引っ込めて歩くようにするとお腹の筋肉が収縮することにより腹筋運動を兼ねることができます。さらに、お腹を引っ込めようと意識すると、自然と姿勢が正されることにより呼吸も促進され、血行と自律神経のバランスも整ってきます
さらに、このような適度な運動を行うことによって心筋も鍛えられます。心筋が鍛えられるということは、一回の拍動でたくさんの血液を押し出すことができるようになることを意味します。
また外を歩くことによって、日光を適度に浴びることができます。日光を浴びると、幸せを感じたり食欲を抑制する効果のあるセロトニンや、夜スムーズに睡眠へを導いてくれるメラトニンなどのホルモン生成に役立ち、また体内時計のリセットなど様々なメリットがあることを知っておきましょう。紫外線が気になる方も多いですが、しっかり対策を行えば不用意に日焼けする事もありません。
ウォーキングを行うことは運動量を確保するだけではなく、よい気分転換にもなるでしょう。無理のないところからスタートして、継続することを目標としてください。
オシャレなウォーキングウエアを楽しむというのも素敵ですね。
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■Lesson11-4 まとめ■

  • ファスティングの目的は心身のリセットとデトックスであり「生活の質」そのものを見直すことでもある。健康的な体を維持するために、食事の改善と合わせて運動を取り入れるとよい。
  • 体を積極的に動かして行う運動をアイソトニック運動といい、この運動は基礎代謝を高めることに役立つ。運動を開始して最初の20分は糖分が消費され、その後に脂肪が燃焼されるので、20分以上かけてじっくりと行う運動が適している。
  • 毎日取り入れやすい有酸素運動として、ウォーキングがお勧めである。①体脂肪を燃焼に役立つ、②インスリンの働きが良くなる、③骨に適度な刺激が伝わり骨粗しょう症予防に繋がる、④血液循環がよくなりアンチエイジングにもなる、⑤腰痛予防や脚力の増強に繋がる、⑥血流のアップや視覚的な刺激により脳の活性が高まり、自律神経のバランスが良くなる、⑦リフレッシュ、ストレスの解消にも繋がる、⑧体にかかる負担が少ないため、長期間継続しやすいなど、様々なメリットがある。
  • ウォーキングを効果的に行うためには①正しい姿勢と②正しい歩き方を身につけることが大切である。