Lesson7-7 復食

復食期

ファスティングを終えた直後に摂取する食事は、ファスティング中と同じくらい大切です。ときには食を断つファスティング中よりも大切だとも言われます。
ファスティングが終わってから最初にとる食事以降を「復食期」と呼びます。これは元の食事に戻すまでの期間です。ファスティングにより消化器官が空っぽになっている状態ですから、固形のもの、カロリーの高いもの、油分の多いものを食べれば内臓に大きな負担となります。この時期の食事を誤るとリバウンドの原因にもなり、せっかく行ったファスティングの効果も半減してしまいますので、最後まで丁寧に過ごしましょう。
 

復食のポイント

  1. ファスティング期間と同じ日数を復食期間とする
  2. 消化に負担をかけないものを少量摂取する
  3. よく噛んで食べる

①ファスティング期間と同じ日数を復食期間とする

2日間のファスティングを行ったら2日間、3日間のファスティングの場合は3日間、ファスティングと同じ期間を復食期間とし、ゆっくり通常の食事に戻していきます
ファスティングより消化器官は休んでいたため、急激に消化に負担がかかる物には対応できません。ゆっくりゆっくり、少量ずつならしていくようにしましょう。初めて離乳食を食べ始める赤ちゃんをイメージするとよいでしょう。

②消化に負担をかけない質素な食事を少量摂取する

せっかくファスティングが終わったのに質素な食事をするというのは、なんだか味気なく感じてしまう方もいるかもしれません。しかし、ファスティング明けの体は初めて食事をする赤ちゃんと同じです。消化に負担をかけない優しい食事をとりましょう。
ファスティング空けに初めて食べる食事は、一般的には質素と思われるようなものでも本当に美味しく感じるものです。おかゆなどは、人生で1番おいしいおかゆだった、と感じる方も多いのです。
おかゆやスープなどの味つけは、ごく少量の天然塩を振る程度にしておきます。過度な調味料は胃の負担になるためです。また、満腹まで食べないことも重要です。ファスティング明けすぐは腹八分目でも多いくらいですので、物足りない程度にとどめておきます。

③よく噛んで食べる

固形物が噛み砕かれないまま胃にはいることは大変に負担となりますので、しっかりすりつぶしてドロドロになるまで噛むようにしましょう。噛んだ刺激が脳に伝わり様々な信号やホルモンが体中に伝達されるため、おかゆのようなもともと柔らいものでも噛むことはとても大切です。胃にも信号が伝わり、入ってくる食べ物に備えての準備がはじまります。
噛むことには、様々なメリットがあります。満腹中枢を刺激するホルモンが分泌されるというのは有名ですが、それ以外にもファスティングでゆるんだ細胞を引き締めていく効果もあると言われています。
 

復食メニュー

ここでは復食のメニュー例をご紹介します。ポイントは消化に負担をかけないものを少量いただくことです。どれも量は普段の半分以下だと思ってください。

1日目

  • 朝・・・重湯
  • 昼・・・おかゆと具無しみそ汁orRAWスープ
  • 夜・・・おかゆと具無しみそ汁orRAWスープ

1日目の朝食にはおかゆくらい食べたいと感じるかもしれませんが、もうすこしがんばりましょう。復食の1番始めには重湯が最も適しています。重湯は消化にもよく、赤ちゃんの離乳食にも用いられています。
昼食と夕食のおかゆに塩分が欲しい場合には、梅干しを食べるとよいでしょう。できるだけ塩と赤じそだけでつけ込んだ、無添加の本物の梅干しを選ぶようにしてください。またみそ汁はできるだけ薄味にします。味覚が敏感になっているため、それでも十分に満足できます。固形物を消化できるほど回復していませんので、具は無しにします。

jreika/Shutterstock.com

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2日目

  • 朝・・・おかゆと具ありのみそ汁or野菜スープ
  • 昼・・・おかゆと具ありのみそ汁or野菜スープと温野菜サラダ
  • 夜・・・ごはんと具ありのみそ汁or野菜スープと納豆やひじきの煮物など

2日目からは固形物を少しずつ取り入れていきます。固形物といっても消化に良い、柔らかくした大根やかぶ、玉ねぎなどを選びましょう。よく噛むことが基本ですが、できるだけ具材も細かくしておくと良いでしょう。
昼食からは固形物の量を少しずつ増やして行き、温野菜サラダなども取り入れていきます。蒸してもゆでてもよいですが、味付けは少量の塩か無添加のポン酢などで頂きます。決してマヨネーズやドレッシングを合わせてはいけません。
夜からは少しずつ食事らしい物になって行きます。ご飯はお茶碗半分程度の量にしましょう。植物性たんぱく質の総菜も少しずつ取り入れていきます。ひじきなどの海草類は繊維質が多いため、よくよく噛むようにします。

3日目

  • 朝・・・ごはんと具ありのみそ汁or野菜スープ、野菜の副菜1品
  • 昼・・・ご飯と具ありのみそ汁or野菜スープと野菜サラダ、うどんやそばなど麺類でも可
  • 夜・・・ごはんと具ありのみそ汁or野菜スープと野菜や植物性タンパク質副菜2品程度

朝食は少しペースを落として量を少なめにします。昼食からは消化に優しい温かい麺類などをとりいれても良いでしょう。ただし、かき揚げや油揚げなどの負担が多い物は避けます。麺類だからといってつるつると食べてしまわず、これもよく噛むようにしましょう。油分が多いためラーメンはNGです。
復食最後の夕食は、動物性たんぱく質や油分が多いものを除いたメニューにすれば基本的に大丈夫です。ただ決して食べすぎないようにしましょう。副菜は煮物やがんもどき程度なら大丈夫でしょう。ただし、自分の体と相談し食べていて体が重くならない物を選びます。

AS Food studio/Shutterstock.com

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メニューは一例ですので、基本を押さえればアレンジも可能です。
またここでは加熱食を中心にしましたが、非加熱菜食のローフード(RAW FOOD)を取り入れている方は、復食でスムージーやロースープを用いるのもよいでしょう。その際はバナナやアボカドなどの比較的消化に負担がかかりやすい食材は2日目の夜以降から使い始めるようにします
 

ファスティングと復食期を終えて

4日目からは通常の食事に戻しても大丈夫ですが、ファスティング前の食事とは異なる選択をするようになる方が多くなります。感覚が研ぎすまされ味覚が変化しているため今までの味付けが濃く感じたり化学調味料の味に違和感を覚える方が多いからです。
また、カロリーが高く消化に負担がかかりそうな食事やジャンクフードを体が求めなくなる方も多くいらっしゃいます。そのような変化を楽しみながら、食事の質を変えていきましょう。しばらくは肉類や魚、油、香辛料などの刺激の強いものは、できるだけ控えるようにするのもお勧めです。
その他、ファスティング後は食事量も変化し、これまでよりもずっと少ない量で満腹感を得られるようになっています。少量を味わってゆっくりとよく噛んで食べると、満腹感を得られるだけではなく、消化器官への負担も減らすことができます。味覚も鋭敏になっていますので、素材本来の味を楽しむことができるでしょう。塩分を控えても、十分においしく感じられるはずです。
 
復食期もファスティングと同じくらい、丁寧に過ごしてください。復食期を終えるまでがファスティングのプログラムです。そしてこのリセット効果をできるだけ継続させられるように、取り戻した感覚を大切にしていきましょう。