Lesson3-4 朝食は必要か①

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「早寝早起き朝ごはん」という言葉があります。子どもたちの生活習慣の乱れという問題について取り組むために、文部科学省が推進している教育活動の一つです。成長期の子どもたちに、十分な睡眠と食事が不可欠であることは言うまでもありません。ファスティングにおいても、学齢期の子どもたちについては対象外となります。
この政府の教育活動もあってか、「朝食をしっかり食べよう」という主張は大人の世界でも聞かれるようになりました。もちろん、子どもたちと一緒に家族そろって食事をすることはとても大切なことですから、間違っているわけではありません。
しかし、成人の場合「朝食」は子どものように無条件で必要か、という点については賛否があります。そして今、最新の栄養学や生体理論の分野では、朝の食事は必要ない、もしくは取り入れるなら極力消化に負担がかからず効率的に栄養摂取できるもの、という結論になりつつあります。
ここでは朝食の必要性や、なぜ朝食不要説が主流になりつつあるのか、しっかり学習していきましょう。

私たちの体が持つリズムとサイクルを知る

英語で朝食をbreakfast といいます。Fastはこれまでに見てきたように「断食」のことです。これをbreak、破るわけですから、「断食をやめる」というのが英語の「朝食」の直訳となります。ファスティングの基本原理を学習する前に朝食の話題に触れたのは、ファスティングの原理を身近な朝食と関連させて考えると非常に分かりやすいからです。
私たちの体がどのように働くかは、時間帯によってある程度決まっています。欧米で研究が進み、日本でも先進的な人々が取り入れ始めている酵素栄養学やホリスティック栄養学、分子栄養学やナチュラルハイジーンといった栄養理論においては、食品の栄養成分だけでなく私たちの体の働きやサイクルが考慮されます。
その中で最も基本的で重要なのが、私たちの体本来が持つ3つのサイクルです。

本来の体のリズムとサイクル

私たちの体は、下記のようなリズムとサイクルを持っています。

  • 午前4時〜正午・・・排泄の時間
  • 正午〜午後8時・・・摂取と消化の時間
  • 午後8時〜翌午前4時・・・吸収と利用(同化)の時間

これを表にするとこのようになります。スクリーンショット 2015-03-31 7.07.14
朝目覚める前から排泄・デトックスの時間となり、トイレでの排泄だけでなく細胞レベルでも不要物のデトックスを行います。日中活動している時は食事を食べ(摂取)、その栄養素を体に利用できるよう消化作業を行います。そして、夜睡眠前〜眠っている時には消化された栄養素の吸収が行われます(体への同化)。この3つのサイクルが日々バランスよく動いていくことがとても重要です。

夜遅くに飲食をしないほうが良い理由

夜遅くに飲食して間もなく寝ると、翌朝の気分はあまり良いものではありません。なんとなく胃がもたれたような、疲れたような気分で目覚めたという経験は、誰でもが持っていることでしょう。
これは体のこのリズムが崩れたためです。
摂取された食事がある程度消化されて胃から出て行くためには、通常の加熱食場合約3〜8時間必要です。夜は日中吸収した栄養素を細胞内に取り込むための時間であるにも関わらず、夜遅い食事により消化にエネルギーが使用されます。寝るまでに消化作業を終えられない場合、睡眠中ずっと体は消化のためにエネルギーを使い続けるのです。
本来睡眠の時間は、体を休めたり、栄養素の利用や細胞の再生、記憶の整理など重要なことにエネルギーを使う必要がある時間です。しかし、健康的な生活のためにも欠かせないこれらの活動は、消化作業を行うと、出来なくなります。また消化は大量のエネルギーを消耗することも既に学習しましたね。これでは、せっかく眠っていても体の疲れがとれることは無いのです。

■Lesson3-4 まとめ■

  • 成長期の子どもたちには十分な睡眠と食事が不可欠であり、ファスティングも学齢期の子どもたちについては対象外である。
  • 政府の教育活動により朝食をしっかり食べる文化は大人の世界でも聞かれるが、成人の場合「朝食」は子どものように無条件で必要なのか、という点については賛否がある。最新の栄養学や生体理論の分野では、朝の食事は必要ない、もしくは取り入れるなら極力消化に負担がかからず効率的に栄養摂取ものを取り入れる、という結論になりつつある。
  • 英語で朝食をbreakfast といい「断食をやめる」というのが直訳である。
  • 私たちの体は本来持っている生体リズムやサイクルがあり、酵素栄養学やホリスティック栄養学、分子栄養学やナチュラルハイジーンといった栄養理論においては、食品の栄養成分だけでなく私たちの体の働きやサイクルが考慮される。
  • その生体リズムは1日を3つのサイクルに分けている。午前4時〜正午は排泄の時間、正午〜午後8時が摂取と消化の時間、午後8時〜翌午前4時が吸収と利用(同化)の時間である。
  • 夜遅く消化に負担がかかる食事を取ると、睡眠中ずっと消化のためにエネルギーを使い続ける事となり、体を休めたり、栄養素の利用や細胞の再生、記憶の整理など重要なことにエネルギーを使えなくなる。それにより疲れがとれず、胃や体も重いまま目覚めが悪くなる。