Lesson4-5 牛乳とカルシウム②

Lesson4-4で、骨を丈夫にするためには、牛乳は効率のよいカルシウム源ではないこと、様々な問題点も指摘されていることを学習しました。
しかし、私たちにとってカルシウムはとても重要なミネラルです。特に女性は出産やホルモンバランスの関係で骨粗しょう症などのカルシウム不足の症状が出やすく、またカルシウムが不足することでイライラなどの精神面にも影響してきます。
骨を健康に保つためにカルシウムの減少を防ぐ方法や、効率的にカルシウムを摂取する方法をしっかりマスターしましょう。
 

骨を健康に保つために必要な事

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骨粗しょう症等を引き起こすカルシウムの不足の原因は、カルシウムの摂取量が少ないせいだと思っている人が多くいます。しかし、実は他にも要因があるのです。
血液の中には、ナトリウムやカルシウム、カリウムなどのミネラルが一定の濃度含まれていなければなりません。何かの要因によって血中のカルシウム濃度が下がると、血中カルシウム濃度を上げるためのホルモンが分泌されて、骨にカルシウムを動員させるよう命令が出されます。骨が、文字通り身を削って血液中にカルシウムを供給するわけです。これが行き過ぎると骨粗しょう症となります。
骨を健康に保つためには必要な3つの要素があります。

  • カルシウムを浪費させる食品を極力避けること
  • 適切なカルシウムを摂取すること
  • 日光に当たりながら運動をすること

 

①カルシウムを浪費させる食品を極力避ける

血中のカルシウム濃度が下がると、バランスを取り戻すために骨のカルシウムが動員されるため、血中のカルシウム濃度を下げない事が大切です。
カルシウムを浪費させる食品の代表である以下の7つはしっかり押さえておきましょう。どれも体を酸性に傾ける食品であり、近年摂取量が増加傾向にあります。
特に動物性食品と塩は、代謝において最もカルシウムを浪費します。
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②適切なカルシウムを摂取する

カルシウム=骨で、何となく白い食べ物のイメージがありますね。しかし牛乳よりもむしろ、緑色の濃い野菜や海草、ゴマといった食品がカルシウムの宝庫なのです。さらに牛乳よりも高い吸収率を誇ります。
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特にアブラナ科の葉野菜は、高いカルシウム含有率と吸収率を誇ります。新鮮な葉野菜をたっぷり生のまま美味しく取り入れることができ、さらに消化器官にも負担が少ないスムージーでの摂取もおすすめです。
 

③日光に当たりながら運動をすること

適度に日光に当たりながら体を動かすことはとても大切です。ペットとのお散歩をかねたウォーキングやランニング、テニスや野外でのヨガなど、運動の種類は何でもかまいません。
カルシウムを腸から吸収する時にはビタミンDが欠かせませんが、このビタミンDの合成には日光が必要となります。ビタミンDは小腸からのカルシウムの吸収を高め、カルシウムが骨に沈着するのを助けます。
さら運動をすることで骨に適度な刺激が伝わり、骨を強くする事ができます。
このように、カルシウム不足や骨粗しょう症の予防を心がけるならば、牛乳や乳製品をたくさん摂取することよりも、正しい食生活を意識し、適度に外で運動するほうが効率的です。できるだけ早いうちから意識することで、年齢を重ねても元気で活動的な生活を送ることが出来ます。
 
■Lesson4-5 まとめ■

  • カルシウムは重要なミネラルであり、特に女性は出産やホルモンバランスの関係で骨粗しょう症などのカルシウム不足の症状が出やすい。またカルシウム不足はイライラなどの精神面にも影響する。
  • カルシウムの不足の原因は摂取量が少ないだけではなく、血中カルシウム濃度の低下により、血中カルシウム濃度を上げるためのホルモンが分泌され、骨が血液中にカルシウムを供給するなどの現象により骨中カルシウム濃度が不足する。
  • 骨を健康に保つためには必要な3つの要素は、①カルシウムを浪費させる食品を極力避けること、②適切なカルシウムを摂取すること、③日光に当たりながら運動をすることである。