Lesson3-1 なぜ、今ファスティングなのか

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Lesson２でファスティングの源流を学んだことで、その起源が信仰や信念、また精神的な要素との関連が深いことがわかりました。「食を制限する」という行為自体は古くから世界中で行われていましたし、ファスティングという概念も新しいものではありません。
では、なぜ今ファスティングが注目を集めているのでしょうか。食に困る事なく、好きな時に好きなだけ食事ができる私達が、なぜあえて食を断つ行為をする必要があるのでしょうか？改めて考えると疑問に思う方もいるかもしれません。
それは体本来の健康な状態を取り戻す上で、過食の弊害は大きく、ファスティングを行う事で得られるメリットが非常に大きいからです。「体に良いものをとにかく食べる」「口さみしくて食べる」「手元に何か食べ物があれば食べる」という飽食時代の弊害を多くの人が感じ始め、その解決策を求めているとも言えるでしょう。
では、私達が取り戻したい「体本来の健康な状態」とはどのような状態なのでしょうか。
 

私達の体が本来持つ「正常な状態」とは

私達の体は、常に「正常な状態」を保とうとします。体に異物が入ってきたり、老廃物が産出されたりした時には、これを排除し体を浄化しようとします。また病気やけがをした場合には、自分の力で治そうとする力も備わっています。つまり私たちの体には、人として生まれながらに

  • 不要なものを排泄・デトックスする力
  • 自身で治癒する力
  • 体本来の機能を維持する力

という3つの力が備わっていると考えられています。こうした力がバランスよく発揮されることによって健康が維持され、その状態が私達の体が本来持つ「正常な状態」と表現されています。
「病気ではない」ではなく、「本当に快適で健康的」な毎日を過ごせる状態です。
 

「排泄・デトックスする力」が弱まる弊害

こうした力がバランスよく発揮されることによって健康が維持されるわけですが、「不要なものを排泄・デトックスする力」が阻害されてしまうと、その他の力も必然的に弱ってきてしまいます。
コップが不要な物で溢れていたら、そこにはどんな良いものも後から入れる事はできません。「治癒」することも「維持」することも、この「排泄・デトックス」が正常に行われてこそ機能するのです。ですから、体の中に余分なものを溜め込まないようにすること、余分なものは速やかに排泄されるようにすることが大切です。
しかし、現代の私たちの生活ではそれが非常に難しい現状があります。

①飽食時代の無意識な食べ過ぎ

第一に、飢えに悩まされることがなくなった反面、分別なく食べるようになり、不必要な栄養素や物質まで摂取されるようになったことです。
「1日３食しっかり食べる」ことを公的機関からも推奨される日本ですが、実は普通に1日３食をしっかり食べては、食事量が多すぎ体にとって大きな負担である事が近年わかってきています。推奨される通り食事をしていても、食べ過ぎになってしまう人が多いのです。
その結果、体は余分な栄養素を脂肪として溜め込むことになり、消化器官には大きな負担をかけています。体内で産生されたエネルギーは、そのほとんどが消化のために使われ、代謝と排泄が滞ることになります。その結果、血液や血管、肝臓などのその他の組織にも負担がかかり、何らかの支障をきたすようになります。事実、多くの人が様々な不調を感じるようになってきました。
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②科学の進歩による有害物の摂取

第二に、溢れる豊かな食品の中には、生産・製造の過程で有害な物質を含むものが増加したことです。
農薬やホルモン剤、添加物などの弊害は耳にしたことがあるでしょう。ただでさえ消化器官を酷使し、代謝と排泄が滞っているために体内環境が劣悪になっている私達の体に、そうした有害な物質が入ってきます。本来なら何の問題もなく体の外に出す事ができるものでも、排泄力が弱まっている上に摂取量が多いために、どうしても体内への蓄積を避けられません。
このような日々の小さな積み重ねは、「なんとなくだるい」「風邪を引きやすくなった」「すっきり目が覚めない」などの何となくの不調から、ガンや循環器系の病気、その他の重篤な疾病の原因となることもあります。アレルギーなどの現代病と言われるのもそうですね。
 
Lesson3では、私たちの体を巡るこうした問題点について詳しく学んでいきます。自分の体であるにも関わらず、その働きを理解し正しくメンテナンスしている人はとても少ないのです。しかし、世界にたった１つしかない、替えのきかない自分の体です。理解した上できちんと活用できたら、毎日がもっと素敵に楽しくなります。
ファスティングのメリットを最大限活用するためにも、ここでしっかり学習しておきましょう。
 
■Lesson3-1 まとめ■

  • 今ファスティングが注目を集めているのは、飽食時代の弊害を多くの人が感じ始め、その解決策を求めているからである。
  • 人は生まれながらに「不要なものを排泄・デトックスする力」「自身で治癒する力」「体本来の機能を維持する力」が備わっている。このバランスにより健康な状態が維持される。
  • 「不要なものを排泄・デトックスする力」が阻害されると、その他の力も必然的に弱まるため、これはとても重要である。
  • 現代は無意識な食べ過ぎや有害物の増加により、排泄・デトックス力が正常に働くことが困難となっている。不要物が体内に蓄積されることにより、現代病といわれる様々な不調を感じる人が増えている。
  • 世界にたった１つしかない、替えのきかない自分の体についてその働きを理解し正しくメンテナンスに活用することはとても大切である。